事業案内

太陽光システムの不具合検出装置の開発と販売

□背景と課題

<太陽光発電システムの概要>

太陽光発電システム(以下PVシステム)は、太陽のエネルギーを電気に変換する太陽電池(PV)モジュールと、複数のPVモジュールを直列接続したストリング、 複数のストリングを束ねる接続箱(接続箱から上流部分を総称して太陽電池(PV)アレイと呼ぶ)、PVアレイの直流電力を交流に変換し、 電力系統に供給するパワーコンディショナ(PCS)から構成されています。

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PVシステムは、メンテナンスフリーで自動運転により10年、20年と発電し続けると言われていましたが、経年劣化等による出力低下、 台風や竜巻等の風災害や積雪等による破損、その他、故障・不具合等の報告事例は多数あります。 従って、PVシステムの故障診断技術・装置は、システムの故障や劣化による運転停止時間を最短化し、生涯出力をより大きくするために必要です。

<PVシステムの不具合と課題>

PVシステムでは、パワーコンディショナー(PCS)の故障は比較的分かりやすく、修理交換も簡易です。 しかしながら太陽電池(PV)モジュールが設置されている屋根の上では、故障の発見は難しく、モジュールの交換作業においても危険が伴います。
以下に、PVモジュール、ストリングに関連した故障内容の一例を上げます。

・モジュール内部のハンダ不良
・発熱による接合部分などの断線
・経年変化による劣化
・小動物による配線の欠損などの被害
・台風/地震などの自然災害による被害
・施工時の点検不足から起こる不良 等

上記のような要因から、ストリングが断線あるいは高抵抗化となる場合があり、PVモジュールの発電によって生じた電流を阻害する事となるが、 PVモジュール内に生じた不具合であればバイパスダイオード(BPD)が働く事で故障部分の電流経路は迂回され、その分の発電量は減少する事になります。 BPDの働きによって、不具合の無い部分の電力はそのまま活用できますが、BPD部分が発熱する等の現象が生じる事になります。

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このようにPVモジュールやシステムに故障が起きる事で、実際の発電量の減少は生じますが、発電量は日射強度やモジュール温度等の環境条件に大きく左右されるために、 その出力の減少を環境条件の変化によるものと見逃してしまう事も多く、日頃の発電量のチェックや目視等での確認だけでは、このような故障検出は難しいと思われます。
また太陽電池は太陽光が当たっていれば発電し続ける事になり、また電気回路のひとつである事から、不具合個所等の何らかの影響で、発熱等を引き起こす可能性もあります。 万が一近くに可燃性の物が存在すると、火災発生へと繋がるリスクも否定できません。

2012年7月から始まった「再生可能エネルギーの固定買取制度」によって、太陽光の発電事業者が増えてきています。発電事業者の方々にとっては、 できるだけ低コストで、しかも安全、安心に、多くの発電量を確保したいと思っております。
すなわち、不具合の無いベストな状態の「発電量を維持」、そして「安全に運営」を進める事が必要になってきています。
そのためには、適宜あるいは定期的にメンテナンスを行い、PVシステムの状態を把握し、必要に応じて、修理あるいは交換を実施する事が必要です。 PVモジュールの保証期間内であれば、対応コストを抑える事もできます。

また、設置時からPVシステムの状態をモニタする監視システムを設置すれば、日常の発電量監視、目視等では検出できない状況を、 定期的(日毎、週毎、月毎など)確認し、異常を検知したら、原因確認の作業を促す警告を出すことにより、早い段階でのメンテナンス作業ができます。



□阪和電子が提供する製品

阪和電子が提供する製品・技術は、目視等では確認できない高抵抗成分(経年変化、気象等の外的要因による腐食等、あるいは小動物、 台風・地震などの自然災害によって起こり得る破壊等で生じる結線状態変化等)を確認できる機能を持っています。
その製品形態としては、メンテナンス時に活用する携帯型の故障診断装置、あるいは常設する監視システムの一部の機能として活用できるものです。

<ポータブル不具合検出装置>

用途:施工時及び定期/非定期のメンテナンス時に活用

施工時:
電気的な計測技術を用いて、目視では確認しにくいモジュール内部の不良、モジュール及びケーブル接続不備、点検不足等に起因する断線または高抵抗化現象を検出します。

メンテナンス時:
電気的な計測技術を用いて、目視では確認しにくいモジュール内部の劣化不良、発熱の要因にもなりうる断線・高抵抗化、外的要因による破損等による、 PVストリングの断線・高抵抗化を検出します。
定期的メンテナンスの場合には、以前の計測データとの比較等により、時間的変化を観測でき、その変化を辿る事により正確な状態把握が可能となります。

(1) CLC(Constant Load Circuit)チェッカ(型番:HPC-1000)
(2) SI(String Impedance)チェッカ(型番:HPC-2000)
(3) PVスコープ(型番:HPC-3000)

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<常設タイプの不具合モニタリング装置:※開発中>

用途:遠隔監視、モニタリングサービスの一つの機能として活用

PV-Scopeを太陽光発電システムの状態監視システムの一部として組入れ、自然災害または侵入者等による破損(モジュールの破損、モジュール間接続ケーブルの切断等)、 発電減少時の不具合情報(断線または高抵抗化)を入手します。

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