技術情報

技術情報 (TLP試験)

TLP試験
Transmission Line Pulse

1.TLPの目的

TLPとは、Transmission Line Pulseの略で、同軸ケーブルに蓄えられた電荷を放出すると、矩形波が得られます。
この特性を利用して、ICの保護回路特性を調べることができます。
重要なポイントは、矩形波の立ち上がり時間。立ち上がり時間の変移によって、 保護回路の特性が変わります。したがって、この装置のポイントとして、 立ち上がり時間が高速から低速まで変えられることが重要となる。
目標の立ち上がりとしては、高速で200psより速い立ち上がりを実現することが望ましいです。

2.TLP理論

TLP波形取得方法
TLPの波形取得方法は主に以下の3通りです。
(1)TDR(Time Domain Refraction)
    DUTからの反射の波形をもちいる手法
(2)TDT(Time Domain Transmission)
    DUTを通過した波形を確認する方法
(3)TDTR(Time Domain Transmission and Refraction)
    上記の2種類共に用いています。

図1は、TDR方式のものです。

TLP01

電圧波形は放電経路上にオシロスコープを直接接続し確認、電流波形は放電経路上に電流プローブを挿入し、確認しています。
TDT方式では、図1のオシロスコープとDUTの位置が逆になります。
TLPの試験において、立ち上がり時間はフィルターを用いることで変化させることができますが、 パルス幅については電荷充電用の同軸ケーブルの長さによって変化します。

図2にTLPの回路構成を示します。

TLP02

T=2L1/V Tはパルス幅(ns)、L1は同軸ケーブル長さ(mm)

      V=2.0×10^8m/s       (例) L1=20(m) のときT=200(ns)

TLP03

図3は、図2の電圧計(オシロスコープ)で確認できる、DUTへ入射し全て消費されたときの波形です。
L2が10mmの長さで、DUTがShortの時を考えると、入射波、反射波を個々に確認したときの波形は図4の左図で、

電圧計で確認できる波形は図4の右図となります。

TLP04

同様に電流計(電流プローブ)で確認できる波形は図5の右図となります。


TLP05
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