このようにPVモジュールやシステムに故障が起きる事で、実際の発電量の減少は生じますが、発電量は日射強度やモジュール温度等の環境条件に大きく左右されるために、
その出力の減少を環境条件の変化によるものと見逃してしまう事も多く、日頃の発電量のチェックや目視等での確認だけでは、このような故障検出は難しいと思われます。
また太陽電池は太陽光が当たっていれば発電し続ける事になり、また電気回路のひとつである事から、不具合個所等の何らかの影響で、発熱等を引き起こす可能性もあります。
万が一近くに可燃性の物が存在すると、火災発生へと繋がるリスクも否定できません。
2012年7月から始まった「再生可能エネルギーの固定買取制度」によって、太陽光の発電事業者が増えてきています。発電事業者の方々にとっては、
できるだけ低コストで、しかも安全、安心に、多くの発電量を確保したいと思っております。
すなわち、不具合の無いベストな状態の「発電量を維持」、そして「安全に運営」を進める事が必要になってきています。
そのためには、適宜あるいは定期的にメンテナンスを行い、PVシステムの状態を把握し、必要に応じて、修理あるいは交換を実施する事が必要です。
PVモジュールの保証期間内であれば、対応コストを抑える事もできます。
また、設置時からPVシステムの状態をモニタする監視システムを設置すれば、日常の発電量監視、目視等では検出できない状況を、
定期的(日毎、週毎、月毎など)確認し、異常を検知したら、原因確認の作業を促す警告を出すことにより、早い段階でのメンテナンス作業ができます。
□阪和電子が提供する製品
阪和電子が提供する製品・技術は、目視等では確認できない高抵抗成分(経年変化、気象等の外的要因による腐食等、あるいは小動物、
台風・地震などの自然災害によって起こり得る破壊等で生じる結線状態変化等)を確認できる機能を持っています。
その製品形態としては、メンテナンス時に活用する携帯型の故障診断装置、あるいは常設する監視システムの一部の機能として活用できるものです。
<ポータブル不具合検出装置>
用途:施工時及び定期/非定期のメンテナンス時に活用
施工時:
電気的な計測技術を用いて、目視では確認しにくいモジュール内部の不良、モジュール及びケーブル接続不備、点検不足等に起因する断線または高抵抗化現象を検出します。
メンテナンス時:
電気的な計測技術を用いて、目視では確認しにくいモジュール内部の劣化不良、発熱の要因にもなりうる断線・高抵抗化、外的要因による破損等による、
PVストリングの断線・高抵抗化を検出します。
定期的メンテナンスの場合には、以前の計測データとの比較等により、時間的変化を観測でき、その変化を辿る事により正確な状態把握が可能となります。
(1) CLC(Constant Load Circuit)チェッカ(型番:HPC-1000)
(2) SI(String Impedance)チェッカ(型番:HPC-2000)
(3) PVスコープ(型番:HPC-3000)
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